グループの人数はわかるけど、 クッキーの数はわからない・・・
6月のお誕生日会は、お母さんたちの手作りのクッキーが準備されクラスはクッキーの香りが漂います。
先生の「今日のクッキーは1人2枚です。グループの人数を数えて、何枚いるか数えて取に来てください」の声に
年長児たちが数え始めました。なかには何度も同じ子を数えてしまったり、自分を数えなかったり、立ち歩く年少児で数えられなかったりとなかなか上手くいかない年長児もいました。そして「8枚です」とクッキーをお皿に載せ配ってみると足らず、もう1度数え直している年長児の姿もありました。
そんななか、困り顔のY君がやってきました。「今、ちょっと困ってるんだよね・・・。グループの人数はわかるけど、クッキーの数がわからないんだよね・・・」「困ったね。」と私も一緒に首をかしげてみます。「何回も数えているんだけど。わからないんだよ」と。それに対し「どうしようか?」と返答をしてY君と一緒に考えようと試みます。するとY君が「紙に書いてみる!ぼくが言うから、先生紙に書いてくれない?」と言い出すので、書き出すことにしました。K君が2枚、Hちゃん2枚、Sちゃん2枚、B君2枚、Yが2枚、・・・」と、友達の名前とその横に〇印でクッキーを2枚ずつ描いてみました。
クッキーのかず
1 K君 〇 〇 2 Hちゃん 〇 〇 3 Sちゃん 〇 〇 4 B君 〇 〇 5 Y 〇 〇 |
すると、指で〇印を指しながら数えてみるのですが「1番目2が1つ、2番目2が1つ、3番目2が1つ・・・、だから全部で2枚!」“えっ”と珍回答に笑いを堪えながら「ちょっと足りないかもしれないね」と言うと、じっと考えるように間を空けてから「1、2、3、・・・10枚だ。わかった!!1人2枚だから5人で10枚!わかった!」と、数字を操作しようと頭の中だけで必死になるのではなく、実際のクッキーをイメージして描かれたもの全てを数えてみて「なんだ、そういうことか」と何かが繋がったようでした。
彼は、クッキーを取りにいきながら「1人2枚だから、みんな(描いてある〇印全部を)数えるのわかる?わからなかったらYに聞いて」と、ちょっぴり誇らしげでした。生活や遊びの活きた実体験を通して、興味を持って考え、学んでゆく姿をこれからも大切にしたいと感じたエピソードでした。
(クラス担任)
*写真は4月誕生日会