ちょっと前まで“きかんぼう”の年中さんだったのに!!
若葉が一斉に噴き出し、さわやかな緑が春の光と風の中で輝くように揺らめくなかで、子どもたちが春を満喫するかのようにせわしく活動し始めています。その中に身を置くだけで何とも言えない“穏やかな平和”を感じている毎日です。
そんななか、保育中にお母さんと幼稚園を見学にきた男の子が思うがままに走り、楽しんでいました。11時を過ぎてお片付けの時間であると声をかけられた年長さんのある男の子が、砂場で遊んでいたその見学に来ていた男の子に「もうお片付けの時間だよ」と声をかけました。しかし、まだ遊びたかったのか、疲れてきた眠さもあったのか、普段は経験のない“遊びを止められた”という出来事をお母さんに対し怒って体を当てるようにして泣きだし、その年長児が片付けていた砂場のカップや鍋、しゃべるなどを砂場に投げ始ました。引っ張って強引に止めさせるかな、と彼の年少、中時の様子を知っている保育者たちは感じたのですが、お母さんもいたからか静かに見守るようにたたずんでいました。「A君の年少さんの時みたいだね」のその場に居合わせた保育者の言葉に自分の年少児の時の姿を重ねたのか、投げられたカップをまた黙々と拾い始めました。“なんだか不思議な光景”でもありました。最後は抵抗されるように叩かれる?と我慢できずに頭を“ぐう”で“ゴン”と叩いてしまったのですが、泣きながら持って行きどころのないその小さな男の子に「また、遊びにおいで!」(また今度きたら遊べるよ)という感じで言葉をかけていたのです。
まだこの時期、年長児の姿が想像できないのですが、積み上げてきた経験をとおした、人に対するかかわりの成長を、遠目からですが感じることができ、嬉しい一日となりました。