満足する事
新しいクラスになり、なかなか朝の会にやって来ないH君の姿を見て、毎日「集まるよ」と声をかけているのにやっぱり今日も来てくれない・・・
何か期待を持って参加できるきっかけはないか、と考えていました。
ある日T先生から「H君素敵な鞄を作ったから、クラスのみんなに紹介してね」と声を掛けられ、H君のその鞄を見せてもらうのを私も楽しみにしていました。
お弁当の前、早速H君が作った鞄をみんなに紹介しようと、「H君何か素敵な物作ったって聞いたんだけど」とH君に聞いてみると、「ああ、ロッカーにあるよ」と、見せてもいいよという口ぶりで保育者に教えてくれました。「これはT先生と一緒にやった、T先生はいつもテラスにいるんだよ、Y先生も作りたかったら行っていいから!」と清々しい表情で伝えてくれ、その鞄作りに満足したのだということを感じました。鞄は「探検にいく時のために、かけられるように紐をつけて、無くならないように名前は自分で書いた」そうです。
午後のクラス活動でも、H君はその鞄を大切そうに身につけており、椅子や机にひっかかってしまい時々外しますが、そんな時は必ず「Y先生これ持っといて!」と保育者に預けます。
H君が保育者や友と過ごした満足な時間と、思いを込めて一生懸命作り上げた鞄は、本当に宝物のようだと感じました。