ぼくにもできた!! ―年中さんのぼうえんきょう作り―
保「ぼうえんきょうを作って探険に行こうと思うんだけど、もうゾウさん(年中児)だから。自分で考えて作ってみるのはどうかな?自分で選んで、好きに作っていいんだよ」
ぼうえんきょう作りと聞いて、「オー!!」と喜ぶお兄さんたち。セロテープの使い方を伝えつつ、のりも使って試してと話す。
別のテーブルに置いた材料をおもいおもいに選び、芯を2つのりづけしようとベタベタにするが、思うように上手くつかない。
H「ダメだー。もう1こやる」
少し半泣きになりそうな顔で、今度はマスキングテープで貼り合わせる。同じようにベタベタのT児がそこに短く切ったリボンを貼り合わせる。
H「すっげー。いろんな色じゃないか」と驚いて褒め、嬉しそうなT児。リボンを短く切って貼りつけ、「こーやって持って行こう」というHに
保「あー、探険隊は両手が空いていないと山も登れないし危ない。見つけた物も拾えないんだよ」
S 「じゃー首にかければいいんだよ」という声から新たなチャレンジが始まる。保育者は笑顔で見守るなか、子どもたちの“つぶやき”と“試してみる”が溢れます。
S「首にかけるときはヒモだよ、ヒモ!」はりきって考え2回目、頭をヒモがぎりぎり通り抜け、「できたー!! 」次の瞬間「とるときはできねー!!」
H3回目のリボンの長さで「もうちょっと長くしよう。このぐらいにしとこう」と自問自答しながら、やっと首にかかると 「フー!! できた。ヤバー!!これはヤバイでしょう!!」と止まらない喜びの声。
Tささやくような声で、「どうしたらいいのかな~、どうしたらいいのかな~」と自分で必死に考え、長いリボンに気付き、長さを揃えてみたり、首に巻いてみたり...。
首の後ろにリボンをまわし長さを調べようとする子、頭の上で止まってしまう子。1人1人のその一瞬一瞬の真剣な“試してみる”が、なんともかわいくて仕方ないのです。
あえて教えたり、声をかけずに面白がって見守ることで、「フーできた!!」の満足感があったように思います。自分で考えて作り出すって面白い。何度でも試すなか、失敗なんてないのです。子どもたちの心が動き出すそんな嬉しい瞬間でした。
〈準備したもの〉ペーパーの芯・巻いてあるリボン・包装紙・のり・セロテープ・マスキングテープ