フェスティバルへ向けて④ ~悔しい気持ち 振り返り語る~
Fちゃんは2学期が始まった頃からずっとリレーを楽しみにしていました。お家で早く走れるようになるトレーニングをお父さんに聞いてきてみんなに伝えたり、「絶対1位になりたい」「順番を決めよう」と仲間を集め張り切っていました。
ある日2クラスでのリレー対決でFちゃんのクラスは負けてしまいました。負けた悔しさでFちゃんは思わずRちゃんに「遅いよ」と言い、その言葉に驚いたRちゃんは大きな声で泣きだしました。その姿を見て仲間が集まり、他クラスのM先生もFちゃんに「Rちゃん泣いてるよ」と声を掛けました。すると、Fちゃんも涙があふれ、みんなが声を掛けても、先生が声を掛けても、リレーの2回戦が始まっても泣き続け、リレーが終わり礼拝やお弁当が始まってもその場から動かずにいました。
保育者は声を掛けたくなりましたが、Fちゃんが自分で気持ちを振り返り切り自分から語る事を期待し「Fちゃんがお話しできるようになったら来てね。先生待っているからね」と声を掛け待つ事にしました。泣き始めてから30分程経った頃、ゆっくりと立ち上がりやって来ました。
「どんな気持ちだったの?」と聞くと
「ほしとひかり リレー対決したら負けちゃった。悲しかった。それで「勝ちたい」と思って、だから明日ほし組対決勝ちたいから、Rちゃんに「遅いよ」って言ったらRちゃん泣いちゃった。言わなきゃ良かったと思った。Fちゃんも泣いた。M先生が、「ほし組は前4位とか5位、初めて1位になった‼︎」って。「そんな事言わないで」(遅いよ)って言われて、どーしてそんな事言うかわからなくて泣いた。
RちゃんはたぶんFちゃんに言われたから泣いたと思う。「それ言わないで」って言ってた。たぶん悲しかったかも。そんなに遅くなかったけど、Rちゃん2回走る事になって2回走った。それでよく見たら少し遅くて負けたのがイヤだった。Rちゃんも頑張っていた、1位になりたくて。
Fちゃん勝ちたくて言っちゃった。悪口(悪い言葉)で言っちゃった…
次はみんなで練習してもっと早く走ろうって言えば良かった…」 と語り出しました。
ただただ「みんなで一緒に」「力を合わせよう」という言葉だけでまとめられるのではなく、
Fちゃんが「1位になりたい、負けたくない」という思いを持ち必死になる姿を嬉しく思っていました。