フェスティバルへ向けて ~葛藤する気持ち~
今年は毎年のような青空フェスティバルが行えませんが、それでも年長のリレーが始まり真剣な表情やみんなの声援が響き渡ると子どもたちの気持ちも盛り上がり始めたようです。
K君はクラスの友達とリレーを走り「1位になった!」と喜ぶ姿がありましたが、数日後「走りたくない…」とリレーをやらずに違う場所で過ごし始めました。当初子ども達はその姿を気にする様子は余りなく、『誰かが2回走ればいい』『1位になれればいい』位に考えていたようです。
そのような事が数日続き、保育者はK君も子ども達にも一緒に考え気持ちを伝えあって欲しいと思い「K君が走らないままでいいの?先生はどうしてK君が走りたくない気持ちなのかわからない。K君に聞いてみたいと思うけど、先生からではなくてみんながK君の気持ちを聞いてほしい」と伝えてみました。
「みんなが頑張らないの嫌だった」「どうして走らなかったの?」「みんなで出来なくて、みんなで勝ちたい」と子ども達は話し、「リレー最後みんなで出来なくて先生も悲しかった」とⅭ先生も気持ちを伝えてみました。K君は「足が痛かったから」と呟きますが、K君の表情や雰囲気、その言葉からK君の本当の気持ちなのか?・・・と感じました。
K君が1人になった時、「足、痛かったの?」とそっと聞いてみました。K君は首を傾けながら静かに保育者をじっと見ていました。「K君が走らなくて、先生どうしてかなって思った。先生もリレーってちょっと苦手。走るの遅いから嫌だなーって。でも何にも言わないでいなくなるのはどうかな?」
少し黙った後「オレ、1位になれなくて嫌だった。だからどっかに行った。オレが1人いなくなってみんな困ってた・・・」と呟きました。K君が少しだけ気持ちを出し始め、“仲間”を意識し共に活動する中で色々な思いが錯綜し葛藤しているのでは・・・と感じました。K君の気持ち、子ども達の気持ちそれぞれが出し合いながら、保育者もそこに身を置き、“子ども達と共に作るフェスティバル”を楽しんでゆきたいと思います。