子ども達で伝え合う姿 ~自由遊び時間の木工を通して~
木工小屋には色々な年齢の子ども達がやって来ます。
小さな子たちは保育者と一緒に釘を打ち始める事もありますが、まっすぐに打つのはなかなか難しいようですぐに曲がってしまいます。曲がった釘は“木片から抜き、曲がった釘入れに入れる”というのが木工の約束の1つです。
年少のRちゃんは自分で挑戦しますがすぐに曲がってしまい、保育者と一緒に何度も釘を抜きやり直していました。釘を打つたびに「先生、曲がっちゃった。直して」と言いますが、他の子の釘を直していて「ちょっと待っていてね」と声を掛けました。ふっと見ると、側にいた年中のSちゃんが横から釘を叩き、まっすぐになるように直してあげていました。その後も釘が曲がるたびに、「大丈夫、Sがやってあげる!」とRちゃんの板から釘を抜いてくれたり、まっすぐにしたりと直していました。
「Sちゃん、ありがとう、Rちゃんの釘直してくれたんだね」「大丈夫!年長さんがやっているの見ていたし、園長先生も直していたからわかるんだ」と少し得意げでした。
翌日お母さんにその様子をお伝えすると、「家でも言っていました!先生がとんかちの子どもがいっぱいで大変な時は、Sが曲がった釘直してあげたんだ!!って話していました。」とにっこりと教えてくれました。
縦割りの生活の中で年長からだけでなく、年中の子ども達も子ども同士で伝え合い教え合う姿に、徐々に子ども達の普段の生活が戻ってきたことを実感できるエピソードでした。