自分で選ぶ ~木工を通して~
とんかちの音が響くと木工小屋に毎日の様にやって来る年中のPちゃん。にこにこと保育者の方を見ていますがなかなかやり始めません。どうやら沢山の木が入っている籠からどれを選んでいいのかわからず?保育者から「この木にする?」と声を掛けてもらうのを待っているようでした。
今まではPちゃんのその様子が気になりませんでしたが、それは保育者が無意識に木を手渡していたり、「これにする?」と声を掛けていたのかもしれません。
少し待っていると、小さな木を手にしてちらっと保育者を見ます。側では一緒に作っているRちゃんは「大きい木がいい!これにする!」とどんどん選び作ってゆくのです。Rちゃんをじっと見ているPちゃん。「Pちゃんの好きな木を選んでね。自分で決めてね」と伝えるとゆっくりと1つ手にして釘を打ち始めました。翌日は、「大きいのにした。いっぱい(布やフエルト)付けたいから」と小さな声で呟きながら選び「いい木だね。素敵な物作れそう!」と声を掛けると早速材料(フエルト・皮・布・モール・クレヨン)を選び、作り始めました。
その後、様子をそっと見ていると、後から来た友達に「好きな木取るんだよ」とこっそりと小さな声で伝えるのです。
小さな事でも声を掛け過ぎず、子ども達自身が“自分で選び、考え、作り出す”事を“楽しんで見守る保育者”でありたいと思っています。