劇遊びへ向けて ⑨ ~これで決まりじゃないよね? 変えてもいいんだよね!~
劇遊びの日が近くなり、違うグループの劇を見に行く機会も増えました。いつも一緒に過ごしている友達や保育者が演じている自分をじっと見入っている事は、子ども達に良い刺激となり、心地よい緊張感を生み出しているようです。
リハーサルの日、「あと数日でお母さんたちが見に来る。今まで繰り返してきた事、子ども達は覚えているかな?スムーズに進むかな?」という思いが一瞬保育者の気持ちの中によぎりました。
子ども達と劇を始めようとしたその時・・・ 年長のRちゃんが保育者の所にやってきました。
「先生、これで劇の言葉とか決まりじゃないよね? もっと変えてもいいんだよね! Rは、劇やっていると面白くなって、違う事が出てきて言いたくなってくるから!! これで決まりにしないでね。」
Rちゃんのセリフや動きは、毎日少しだけ変化します。それはとても些細な違いですが、Rちゃんのこころが弾み「もっと表現したい!挑戦したい!!」というわくわくした気持ちの表れだと感じました。
子ども達と一緒に様々な活動を作っていく時、保育者は「願い」を持ちます。しかし、そうした「願い」が強くなりすぎると、活動を形にしたり、継続させる事に気持ちが向き、子ども達が楽しんでいる事、葛藤している姿、挑戦しようとしている姿等が見えにくくなるかもしれません。しかし、子ども達の声に思いを寄せてみると、子ども達の思い、子ども達のする事の思いや意味が見えてくると思います。わくわくした気持ちを楽しむ1人1人の子どもの姿が素敵なのです。
(保育者より)