友達の言葉 (遠足にて)
遠足で崖のぼりの後に向かった広い原っぱ。お弁当を食べ終えると、「リレーやろうぜ!」と他のクラスの子どもを誘い、リレーの準備が始まりました。バトンを持って「誰が1番に走る?」と話し合います。けれども、「俺が1番!」「いや、俺だよ」「俺も1番がいい」と3人が名乗りを挙げました。「どうする?」とT君とS君は話し合って、どちらが先に走るか決めました。しかし、Y君は自分の気持ちが通らないモヤモヤからか、クラスの基地に帰ってしまいました。そのまま1回目のリレーが始まりました。残念ながら1回目のリレーは負けてしまいました。「もう1回したい!」とリベンジを望む声が上がる中、その側で木登りをしていたEちゃんがY君の所へ走って行きました。EちゃんがY君に何か言うと、Y君は立ち上がり、2人は「リレーやる!」と走ってきました。2回戦は仲間の力が合わさって、勝つことができました。嬉しくて跳びはねる子ども達。すると、「ねえ、Y君に何て言ったか教えてあげようか?」とニヤッとしながらやって来たEちゃん。保育者が「教えて?」と言うと「耳貸して」と声を潜めて「あのね、Y君いなかったからリレー負けちゃったよ。Y君も一緒に走ろう!って言ったの。」と教えてくれました。「秘密だよ」と、言い終えたEちゃんは少し恥ずかしそうな表情をしていました。保育者に言われてではなく、子ども同士の楽しい雰囲気の中で「一緒にやってみたい!」と感じ動き出す嬉しい姿です。