劇遊びへ向けて➂ ~子どもの思いと保育者の思い~
3学期が始まる前、保育者は子どもたちの顔を思い浮かべながらどんな絵本で劇遊びを楽しもうかと考え、絵本選びを行います。
B先生も、3つの絵本を思い描きました。みんなが知っている“桃太郎” クラスで楽しんだ活動を活かせる“ジャックと豆の木” 沢山の子どもたちが一緒に楽しめそうな“ハーメルンの笛吹”。
やってみたい絵本を紹介しながらも、「みんなでやる劇、どんな本がいい? やってみたいお話ある?」と問いかけてみました。すると、「3びきのこぶたがいいな。お家にあってママが読んでくれたやつ」「私は辛いラーメン屋さんの話。すごい面白いの」と数人の子が言い、5冊の絵本が集まりました。
翌日、年長のF君は「おおかみと7匹の子ヤギ」の本を抱え神妙な顔で登園し、絵本を差し出しながら「これやろうと思う。これに決めた。」と一言。
「でも、先生もやってみたい絵本あるし、Ⅾ君は3匹の子豚がいいって言ってたね。今は決めないで、みんなで相談しながら決めたいんだよね」と保育者の思いを伝えてみました。
「わかった」と言いつつ、F君は1日中絵本を持ち歩き、「怪しい話がいいんだよ… おおかみとか出てきて。ちょっとだけ怖い話がいいんだよな…。先生の言ってたのじゃなくて、怪しいのがいいのにな~」と1人呟きながら、グループの子どもメンバー表と絵本とにらめっこ。
保育者自身が思いを持ちつつ、子どもたちが感じている事、思い巡らしている事に心を寄せながら、“子どもたちと作る”劇遊びを考えながら、劇遊びまでの日々を過ごしてゆきたいと思います。(保育者より)