いちごお兄さん
幼稚園のお友達、お父さんお母さん、小学生や中高生、多くのボランティアの方々と、バス5台で春のハイキング(神奈川県 三浦富士) いちご狩りに出かけました。
お弁当の後、ちょっとしたハプニングで最後を歩く事になった年中のH君。「いちごこっち?」「こっちかな?いっぱい食べようね」保育者とそんな会話を繰り返しながら軽快な足取りで歩いていました。 足元が少しがたがたした道に来た時、中学1年のS君に出会い「手、繋いでくれる?」と声をかけると恥ずかしそうにH君の手を握って歩き出しました。2人の間には「いちご こっち?」「そう」とそれほど会話はありませんが、(S君が意識していたかはわかりませんが、)細い道に行くとさりげなく場所を入れ替わったり、綺麗な葉っぱをそっと手渡したり。
保育者が「いちごお兄さんと一緒に歩くと楽しいね」と言うと、H君は「いちごお兄さん 行こう!」何度も呼びかけるようになりました。言葉少なげなS君に「いちごお兄さん お名前何?」とH君が聞くと「いちごです…」と呟くお兄さん。お母さんお父さん、先生だけではなく、いちごお兄さんと出会い、H君のハイキングは山歩きだけではない新しい人との出会いを楽しむ嬉しい豊かな時となりました。
今回のハイキングでは、様々な方がさりげなく助けて下さる姿に出会いました。
●赤ちゃんをおんぶして年少さんと初めて参加したお母さん。泣き続ける姿に困っていると、赤ちゃんを預かりおんぶして下さるベテランお母さん。
●歩き始めから泣いてなかなか気持ちが切り替わらずにいた年少さん。「ヤダー」と泣きながらダッシュするとベテランお父さんが一緒に走り、過ごすとふっと泣き止み歩ききりました。
●先生と歩いている時に涙が出ると、「一緒に歩こうか!」と声を掛けて下さり、最後まで手を繋ぎ一緒に歩いてくれた年中さんのお父さん。
●軽快だった足取りも疲れてきて、涙ぐみ始めた年少さんに小学4年生のお兄さんが手を繋ぎ、話しながら葉っぱを見つけて歩く姿。小さな子に腰をかがめながら話す姿は何とも可愛らしい姿でした。
●泣いたりぐずったりしても、高校生達や中学生達が一緒に遊び、笑い、話しながら歩くとなぜか泣き止み、気分が変わり楽しんで歩き出すこども達の姿が沢山ありました。
きっと保育者の知らない所でもっともっと沢山の出会いがあった事と思います。
みんなが互いをさりげなく気にかけながら、一緒に楽しむ姿を嬉しく思いました。
ハイキングには、大切な色々な意味があると感じました。こども達が山を歩ききる嬉しさや驚き、発見。山の自然の中での時間、歩いた後のいちごの甘さ、 色々な人との出会い…
このような体験活動だけではなく、日々の生活の中にも子どもたちが色々な人との出会い、豊かな時間を過ごせる事を大切にしてゆきたいと感じました。
(保育者より)