お別れ遠足
お別れ遠足が近づく中、広い世界に目を向け、進級への期待に繋がることを願ってテーマとなる国を考えていたときのこと。家族でハワイに行ったという年長Yくんが「飛行機はね、知らない人の隣がお父さんで、ここに通路あって、僕がここに座って、、、」「大きい竜巻があったから、豆がいっぱい落ちてたんだ。ほら、これ!」と豆?を手に、最初から最後まで事細かに生き生きと話していた姿を思い出しました。彼の姿が活動に繋がればと思い、Yくんからクラスの子に詳しく話してもらったりすると、クラスの子もハワイの期待が高まり、「お別れ遠足はどこ行く?」と問いかけた頃には「ハワイ~!」と口を揃えて答えました。Yくんも「9回目か~」と張り切ります。「飛行機乗ろう!」「船がいいよ」「3回泊まりたい」等とわくわくしながら迎えた当日。船に乗る前に年長だけでハワイ行きの船を調べる為に窓口へ行き、Yくんが「あの、ハワイ行きはどの船ですか?」と尋ねました。ところが「ハワイ行きは残念ながら昨日出航しました。」との答えに「え。」と固まる年長たち。「どうする?」と困ったり「なんだ~」とホッと安心したり、「やっぱり行けないよね」と現実に戻ったり。「じゃあ飛行機にしよう」と諦めないYくん。ホテルの食事中も「もう帰るんだよね?でも飛行機乗るの?」と頭の中がハワイでいっぱいの子どもたちにどう伝えるべきか迷いながら過ごしました。
帰りのバスの中で、「今度予約してからハワイ行こうね」と話したり、「カレーパーティーに行けるから良かった」と一安心している年長さん。一方では友達と「ハワイなんて嘘っこだよね」「本当はわかってるよ。」と言いつつ「じゃあどこ泊まるのかな?」と最後まで現実と空想の世界を行き来している可愛い年中さん。この体験を大事にしてこれからの期待にも繋がればと思います。 (保育者より)