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子どもたちからの声
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子どもたちからのメッセージ

 

2016年7月

2016年度 林間保育 7月19〜21日新潟県六日町八海山スキー場にて

― “考える”をテーマに ―


  今年度の初めから“考える”ということを意識しながら保育を進めていますが、こども達と“考える生活”のために、どんな内容のことを、どのようなタイミングで、どのように考えるのかなど四苦八苦しています。これほどまでに、自分たちで考える生活となるための見守りをしてこなかったのか?などと反省もさせられ、こども達が考える生活を経験するためには、まず保育者自身が常に意識し考えていないとならないことをあらためて感じながら、今年の林間保育に臨みました。
■事前の父母会で
 最近のこども達に見られる傾向の一つに、不安が強い、挑戦しない、失敗を恐れるということがあげられるように感じている。そのため始園式や各年齢の父母会、小父母会などで“身近な大人が与えてくれる信じられるもの”や“守らなければならない枠組み”が無くなりつつあるのではないか。その事によりこどもの主体性、自分で動く力、問題解決能力の低下にも大きく関係しているのではないかと話し合ってきた。林間保育は鍛えるための合宿ではないが、主体的に生活するこどもたち自身のお泊り保育となるかが大切である、と主体的生活とは何かを考えてみた。
■非日常的経験〜1日目のあるチームより〜
 朝6時半に葛飾区を出発し、年長児47名の探険は、「自分で考える」「仲間と力を合わせる」「神様にお祈りする」ことをバスの中で約束し、始まった。現地六日町に到着すると宿には向かわず森に入りクラスごと(9〜10名)に分かれてさまざまなコースを歩き始める。どのチームも、大枠で山の中腹でお弁当を食べること、途中の川で水遊びをすることは決まっているが、その楽しみ方はこども達とのやり取りの中で保育者が判断していく。
○自分の体で、考えて進む川探険
あるチームでは40分ほど汗だくになって歩いていると、とてもきれいな岩場を流れる小川を発見した。そこからその岩場を流れる川を上っていくことになるのであるが、これは保育者の提案により進められた。森のなかの岩を指さして「ここ登って行ってみよう!」との声に大半の子どもは「行ってみよう」と声が上がる。初めは、当然のことながら、足を川の水に落とすことを怖がってぎこちなく進む。岩に両手でしがみつき滑らない場所を自分で探し、足を伸ばす、バランスを取る、その先のコースを視野に入れる。「立ってはいけない、手をついて歩く!」と声をかけられ、足が冷たい水の中に落っこち、尻餅をつき、大きな岩から流れ落ちる滝の勢いで上半身がビショビショとなる。膝までの深さにバランスを失い、腰を越える深さに表情が固まり、急いで戻ろうと体を反転させる。気づくと無言で付いてくるこども達の表情は真剣で、時間をかけて自分で歩くコースを選び、試し、戸惑いながら挑戦していることに気づく。自分でやらざるを得ない、また当たり前のことではあるが、足場やコース、何につかまるか、仲間のなかでどう歩くかなど全てを自分で経験し考えているということを見ていて感じられる場面であった。
 約一時間ほど沢登りをしたこどもたちは頭から滝の水をかぶり「もっといこう!」と勢いづくが、先頭の4、5名はほとんど女の子たちであった。普段挑戦してこないようなこども達の必死な姿に嬉しさを感じた。最後は大きな巨大な岩場に阻まれて進むことができなくなり「もう進むことが出来ない、川を出て山道を探そう」と斜面を上がり木々の中に足を踏み入れるが先が見えず一瞬“ドキッ”とするが、強引に木の枝の下をくぐり抜け林を抜けると道が見え「道にでられたぞ〜」と大きな声を上げる。全身を冷たい川の水に濡らしていたこども達は、日向でお弁当を食べていると「今度は暑くなってきた」と声を上げ、「あ〜、おいしいなぁ。」とお弁当を勢いよくたいらげていた。
○湧き出てくるこども達の思い
 川探険を終えると観光バスで宿に向かい、到着後チームごとに宿のおじさん(佐藤さん)や食事を作ってくれるおじさんやおばさんに挨拶をして、自分たちの部屋に荷物を運び入れ、館内を歩いてみた。その後目の前の原っぱで虫やカエルを捕まえたり、鬼ごっこや花摘み、チームによっては田んぼでの泥遊びやお相撲を楽しんだあと、順番に先生とお風呂に入る。
 お風呂に入った後に、今日一日の楽しかった絵を描いているチームがあったのだが、湧き出てくるかのように楽しそうに話しながら描いていた。川での探険で感じたこと、その時は必死で声も出なかったが、「園長先生は少しやり過ぎだと思う。やめてって言ったのにやめてくれないんだ。だけどみんな岩に登っちゃった。そーしたら園長先生、無線、川に落としちゃった。そして壊れちゃった。」「胸のところまで水の下にいきそうで怖かった」「道がないとき、コケが生えているところがあって岩の上から、足の力と指の力も入れて両手で捕まって何度も力出しているから、すごい力が抜けちゃう感じがした」「あきらめたら、みんなにおいていかれちゃうと思った」「うにょうにょした虫やクモが手にくっついて「うわー」って言っちゃった。最初は岩につかまれなかったけど虫がいないところでつかんで、お腹ぐらい水はいっちゃってもう嫌だったよ。だけど登りたかった。最後の滝がすごく大きくてこれ登るのかと思っちゃった。」「最後の大きな滝見たくてあきらめないで登った。上から落ちてきた水に流されそうになって、ひっくり返ったら“石にぶつかる〜”って一生懸命登った」「なんか園長が修行の時、深いところに投げた。神様、無事に泊まるところに戻ってこれてありがとう」
こんな風に、こどもたちが経験した事やその時の思いを言葉にできることに驚き、期待して待つこと、仲間の中で思いを聴くことの大切さも教えられた。

林間

▲なんと岩場の川を登っていくという冒険が始まりました。


林間

 

林間

 

林間

 

林間

▲一時間近くよく探険しました。子ども達の表情に普段ない緊張感を感じました。

林間

 

林間

▲最後は大きな滝を発見し、その先に道がなくなったのです。なんとかでてくることができました 。

  林間

▲お風呂に入った後にお布団を引きました。なんだかわくわくしているようでした。

■生活や活動を通して仲間で考える、思いを出す
○熊の道には進めない!
2日目の“動物島探険”や“河原探険”でも、常に色々な場所で仲間のなかでの思いのぶつかり合いがよくみられた。あるチームでは、道の真ん中で、黙ったままうずくまる仲間に「どうしたいの、なんでいやなの」と投げかける言葉から始まった。その道を進むことを拒んだK児は、“熊に注意”の看板(絵も描いてある)に怯み、いつもリーダー的な存在であるためか“怖い”と言い出せなかったようである。「私は、熊とは書いてあるけれど熊は嫌いではないのでその道を行ってみたい」とか「みんなで行くのだから大丈夫だよ」などと保育者に促されて、意見を言える子もいたが、こどもたちが思いを出しあってみるために時間をとろうと、その場に立ち止まってみた。仲間からの色々な意見やアドバイスを聞くうちに、K児は、決心したように(言葉では言えなかったが)両腕で“まる”をつくり、みんなでその道を進んでいったという場面もあた。
○感じたことを伝える
宿の前の原っぱでの相撲、キャンプファイヤー、月の灯りの中での夜の探険やホタルの灯り・・・「林間って、こんなに楽しい事がいっぱいあるって思わなかった。」との言葉の様に、一つ一つの経験を通し、感じたことを表現する。こども達全員から思いがどんどん出てくる、というより、保育者に思いを尋ねられたり、後押ししてもらって話し始めるということがほとんどの場面であったが、しかし、この地道に見える、自分の思いを出し、他の仲間の思いを聞き感じるということの積み重ねの必要性を強く感じた。
ストレートに感じたことを他に伝えるという時に、五感で強く感じること、心動かされるような、印象の強い経験をすること、仲間や友だちが同じ思いであるだけに共感を持って聞いてくれること、満足感があるため相手に対して余裕のある接し方をしていること、一日の活動や生活の余韻を仲間で楽しんでいるように感じること、上辺でない心動かされる活動を通した仲間のつながりが作られ始めていることなど、必要な要素が林間保育のあちらこちらにちりばめられている。気持ちがくすぶっていたこども達も自分の思いを自分の言葉で伝えることで、仲間のと関係が動き出していく様を感じ取ることができた3日間となった。

  林間

▲朝一番のお散歩?というか礼拝後、食事前の時間です。

  林間

▲朝一番だというのに、何も考えずに池の中に入り遊び始める仲間もいました。濡れる・・・!

  林間

▲熱のため二日目の朝一番でやってきた仲間を迎える子ども達。

  林間

▲ゴンドラできたのですが、振り向いてみると山々が見渡せる島の上でした。

  林間

 

  林間

▲このチームは山の上で“影絵”をしてお客さんを集めていました。

  林間

▲この日も山を下りると、そのまま川に直行しました。
最高にきれいで開放的な時間でした。

  林間

▲天候が心配されましたが、全て“よし”となりキャンプファイヤーで感謝の礼拝をしました。

  林間

▲一日の疲れをお風呂で癒したあとのお布団は最高でした。
ごろごろとしてお話を聞きました。

  林間

▲今日の出来事を一人ひとりから聞いた後、お祈りをして布団に入りました。

■それぞれのチームごとの楽しみ方〜自分と興味の合う仲間との経験〜
最終日、宿の前のスキー場を登っていく、探険チーム、虫チームと裏のブナ林を登り、お花を摘んで、パーティーの準備をする、お花・料理チームに分かれての活動がそれぞれに行われた。
○虫チーム
前日にはちみつとバナナなどを仕掛けておいたところには大物はかかっていなかったけれど(夜中に男性保育者が見にいくとミヤマクワガタとカブトムシのメスがいて捕獲してしまっていた)山に登り秘密のクヌギの木を目指して探検に行った虫チーム。おじいちゃん先生が捕まえた殿様バッタも加わり、捕まえてきた、ミヤマカミキリやスジクワガタ、バッタやアマガエルなど、14種類の虫たちが入った「むしむし王国」は、幼稚園に帰って来てからも、年少・中児の虫好きにはたまらないスポットとなった。
○探険チーム
探検チームは、前日宿の佐藤さんから「“山の山頂に伝説のフルーツがある”という手紙を読んでもらい、結束し探しに行くが、そのための道具の入った重たい袋を仲間で運ばなければならない。汗と涙にまみれ、助け合い頂上で“伝説のフルーツ”(ドラゴンフルーツ)を発見し他の人に持って行かれそうになったが取り返して、みんなに約束していた“花火”を3発打ち上げた。驚くような大きな音が目の前でしたので大騒ぎとなったが、下にいた他のチームの仲間にも聞こえたという連絡を聞き大喜び。とにかく、登ることの出来ないような急坂を仲間で荷物を運び上げ“伝説のフルーツ”を持ち帰ったのだった。
○お花・料理チーム
女の子だけが集まった、このチームではブナ林を登り、「ヤッホー」と丘の上で叫んでいたら、探険チームの宝を見つけた合図が聞こえた。大きな葉っぱやお花を摘んで帰り、ペットボトルの花瓶に入れ、テーブルに飾ったり、お母さんのお土産に持って帰った。食堂では、トウモロコシの実を削ったり、星形のきゅうりやレタス、トマトを綺麗に盛り付け、山から下りてくる2チームを見ながらカレーライスやお水の配膳。
「あのさぁ、みんなで動くとぶつかってこの前(1日目)みたいにお皿が割れちゃうから、、配ったらこっちから帰ることにしたらいいと思う。」など、自分たちで動線や配る人、確認する人の担当を決めたり、と考えたり、積極的にその中で意見が出てくる姿を保育者は感心しつつ、頼もしく感じていた。

 どのチームもこども同士の心動かされるドラマが起こり、仲間が繋がっていくように作られていった活動となりました。まだまだ幼さの残る今年の年長さんたちだけれども、親元から離れて仲間で生活・探険を経験した事が今後の幼稚園生活に繋がっていくことを期待し楽しみにしていきたいと思います。そして、本当に私たち保育者も冒険をし、考え、こどもたちの力を実感した3日間となりました。

  林間
▲誰が考えたのか、急斜面を仲間と共に大きな荷物を運びました。ロープで引いたり担いだり・・・  大変だった!!
林間

▲大きな袋に入った荷物を二つとも運ぶことに成功!!
  そして焚き火をしマシュマロを・・・


林間
▲“伝説の果物”をみつけのですが、見たことのない果物でした。大騒ぎでした!

▲成功した合図を上げると、朝食の前にみんなに報告したので、
         隊長が火を付けますが・・・

林間

▲これが“伝説の果物”


ひよこ

▲料理、お花チームが作ったサラダと花束も並べられました。


林間
▲昼食後、最後の挨拶をしバスに乗り込みました。なぜかみんなの顔がニコニコしているように見えました。
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