憧れの年長さんの姿を見て コマ大会

３月８日、子ども達が保育者と一緒に企画したこま大会がやってきました。年中のW君は年少の頃から年長の紐こまも回せますが、負けてしまう事が苦手でなかなか競い合う事には参加をしていませんでした。こま大会の日、「今日のこま大会、出ない。負けるのやだ」と言いに来ました。友達が集まりだし「優勝したい!」とわくわくしながら練習を始めると、なんだか気になるようで「オレ、回せるよ」とそっとみんなの輪の側で回し始め、紐の巻けない友達が「W君、手伝って」と言われると得意そうに巻き、投げ方まで教えてあげていました。いよいよ、クラスの代表を決める大会が始まりました。最後の3個に残ると表情が少しこわばり「負けちゃうかも…」と呟きます。結果は第２位！！
第２回戦。やっぱり２位！ ３回戦を始めようとした時、「年長ごま（紐ゴマ）で、出たい」と言い出しました。「W君だけ、年長ごまはずるい。ダメだよ」「やだ！年長ごま!」「大会にでるなら、ぞう（年中）ごまだよ」「やだやだ！ こんなの大っ嫌い！」と、気持ちの折り合いがつかず泣きながら部屋を飛び出しました。その間にクラスの代表は決まり、決勝まで終わってしまいました。
みんなが遊戯室に上がり静かになった頃、「負けるのイヤだった…」「みんな、遊戯室で年長の大会応援してるけど、どうする？」「Ｋ君も？   応援行く…」   W君は、年長のＫ君の事が大好きで憧れているようでした。遊戯室では、年長のクラス代表の決勝が始まる所でした。

大好きなＫ君はクラスの代表！

第1回戦 Ｋ君の投げたこまは７位…    呆然とするＫ君を見て、「Ｋ君、負けちゃったの？  泣いてる？」とW君。第２回戦 Ｋ君2位！「オレと同じだ。Ｋ君泣いてないね。」第３回戦 Ｋ君1位！！　　総合でも1位になりました！  クラスのみんなも駆け寄り大喜びです。みんなの中で表彰されるＫ君の姿を保育者の膝の上で見て、「Ｋ君、誕生日だから真剣にやって、勝ったんだね…」と呟くW君。
２位になり気持ちの折り合いが上手くいかず泣いて大会に出れなかった自分の姿と、大好きな年長Ｋ君が頑張り優勝した姿を、自分なりに比べ振り返っているような姿でした。
「Ｋ君、今度年長のこま大会にオレも出ていい？」　「うーん・・・　いいよ。負けても泣かないでよ」
共に生活する憧れの年長さんの姿、どんなに素敵に見える事でしょう…

(保育者より)