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コマ大会

出来事

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コマ大会

気持ちを出す(年長児D君)

今思い出すと、ペイジェント(クリスマスの降誕劇)が終わった直後に「やっと3学期になるな…」と呟いたD君がいました。3学期が始まるとD君はすぐに「コマもらえないの?」と、登園すると毎日回し続けていました。幼稚園の頃、大会で優勝していたお兄ちゃん達の姿を見ていての憧れもあったのでしょう。2月の途中から担任の先生と話しながら、待ちに待ったコマ大会を計画し始めていました。
「紐を強く巻いて、頭を低くしながら投げる‼」と呟きながら投げる姿には、自信を持つ様子を感じました。D君は色々な力を持っていますが、仲間の中ではなかなか出し切れない姿や表現し切れない姿にもどかしさを感じ、どのようにしたらD君が思いを出せるのだろうかと考える日々が続いていました。
コマ大会当日。 1人では回せない子、紐を巻くのが難しい子もいるなか、きっとD君が勝ち進みクラスの代表になるのだろうと思っていました。しかし、なぜか負けてしまい代表にはなれませんでした。ふと見ると、喜び合う子どもたちの側で涙をためながらじっとみんなを見ているD君。その姿はいつもの様に我慢しているように感じ、どのように声をかけようか、今はそっとしておくことがいいのかと思いを巡らしていると、突然床にうつ伏して声を上げ泣き出しました。その姿に驚く仲間たち。いつもは「大丈夫・・」と言い我慢をしてしまうD君。本当に悔しかったのでしょう…。「どうしたの?」「負けちゃった。どうしてかわからないけど涙がいっぱい出てくる。」と泣きながら言葉を絞り出すように話しました。
しかし、その姿を何だか嬉しく思いました。本当に大好きな自信のある事で負けてしまった悔しさを、我慢せずに出したD君。その後、みんながコマを回していても涙が止まらずにいましたが、その後、自分の気持ちと向き合おうとしているように、実行委員?として決勝大会で司会をし、普段自分からみんなの前に立つことのなかった彼が、最後には自分の言葉で「来年は年少、年中のみんなも頑張ってください」とマイクで話していたのです。
家でお母さんと話をしたそうです。「いっぱい涙が出た。」「あれはどうゆう涙なの?どんな気持ちだったの?」「負けて悔しかった」「それは悔し涙だね…」