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子どもたちからのメッセージ

 

2013年8月

2013年度 林間保育    新潟県六日町八海山スキー場にて

●今年の“ねらうところ”と事前の遊び
今年の夏は雨が降り続き時折とんでもない夕立にも見舞われていますが、こんな気候の異変が関係するのか梅雨が明けないのか林間保育の3日間もずっと雨が降ったり止んだりを繰り返しました。出発前は予報を見て心配していましたが、雨のなかほとんどすべての計画は行うことができました。ほとんどが“レインコート着用”してではありましたが!
今回は、4月から大切にしている“子どもに任せる”や“見守る”というキーワードを感じ考えてきて、この2泊3日の林間保育に臨みました。率直に言うと、年長児らしく自分たちで主体的に生活し、仲間で活動する子どもたちを支え助けていきたい、ということです。ですがこのことはこの活動で突然できるようになることではありませんから、そのために1年間、2年間と大切なことを積み上げてきたであろうかという反省もありました。年少、年中児の時に、気持ちのつながる挨拶、気持ちを伝えること、助けてもらうこと、自分で着替える、トイレに行く、準備をして食事をする、汚したり落としたり壊した時の後かたづけや処理の仕方などに時間をかけて付き合い、子どもと共に考え感じてきたであろうか、ということです。この林間保育で全部がうまくできるわけではないのですが、「虫を捕まえるために仕掛けをつくり、大きな水槽に虫の森をつくろう」とか「最終日のパーティーのために料理やジャムをつくり、薪で火を熾す」など目的を持ち自分たちで考えて行動してほしい、と考えました。

●現地に入ってから
現地では、一日目に簡単な山に入り、沢を登っていきました。岩場で冷たい水のなかに足を入れ両手で岩をつかむように進んでいきました。いつの間にか腰までつかり、最後には潜るように泳いでいました。暑かったので気持ちの良い時でした。二日目に雨が降り予定していた川遊びができなかったため、子どもたちにとって貴重な体験となりました。
二日目は、雨のなかですがロープウエイで山に上がりエルマーの“動物島”をクラスごとに探検しました。子どもたちで道を探したり、川のように流れる険しい山道を登ったり、展望台を占拠し、布を貼り囲い、花を飾り、ハンモックを張りお弁当を食べました。最後には雨が激しくなり山の避難小屋に4クラスが集まりお弁当にしました。この日は、山を下りると川遊びの予定でしたが、増水することも考えられ中止として、宿周辺の草むら、草原で過ごしました。しかし、今回の“主体的に過ごす”というテーマからすると、この時間帯がよい時間となりました。スケジュールに追われることなく(毎年が追われている訳ではありませんが)ゆったりと自分たちの目的のために自然と動き出す姿なども見ることができました。

●気持ちをみんなの前でさらけ出す“ぶつかり合い”(相撲)
この間に即興ではありますが、遊んでいた10名ほどの暴れん坊や泣き虫たちとの“相撲大会”がつくられていきました。ここに簡単には書くことができませんが、いつも相撲などの体をぶつけ合う遊びから逃げている子どもや、すぐに泣きだし輪に入れない子ども、力はあるけれどもルールのある目標(次はあの子に負けずに頑張るぞなど)に向けてエネルギーを使えない子、相撲はするけれども粘り強さがなく必死になれない子、気持ちは出るのだけれど今一つ力を集中しある一瞬に出し切ることができない子などが、宿の目の前に広がる雨のぱらつくびちゃびちゃの草原で泥まみれとなって繰り広げられました。子どもそれぞれのテーマがあるため、参加の仕方はさまざま(先生に声をかけられたり、引っ張られたり、やりたいと近づいて来たり、怒鳴られるように気合を入れられたりなど)ですが、どの子も悔しくて泣きだしてからが本気を出せるようになり、ひっくり返っても立ち上がりつかみ合いました。なんと言っても芝生のふかふかさと裸足の気持ちよさ、そして、広々と山々が見渡せる解放感が作り出した、ひと時でした。泥まみれとなり、びしょびしょになり一時間ほど続き終わらない?のです。ほんとにすごかったのです。不思議と全員がチャンピオンともなったのです。ほんとのチャンピオンも決めたのですが。ようするに泣く悔しさを通り越して同じような力の仲間と勝ち負けを繰り返し、転がること、勝つこと、技が決まること、仲間や先生から認められること、大声を出すこと、そして、なりふり構わず必死になることをとおして、その時点の素直な自分を仲間とのぶつかり合いをとおして自然と表現していいたのです。そんな自分に満足し“やりきった感”を感じたからなのです。ここまでさせた“開放的な環境”はすごい!日常の生活としたい!とも思いました。

●宿前のスキー場等を使った三日目の探検
この宿泊場所の良い点でもある“宿目の前の草原”や“スキー場”を存分に使い、三日目の最終日はチームに分かれて(事前の保育で楽しんできた“虫花チーム”“お料理チーム”“探検チーム”)最後のお別れパーティーに向けて目的を持ち楽しみました。私は虫花チームの山登り組?に参加したのですが、これがまた感動でした。田舎では当たり前の光景であるかもしれませんが、山の上のクヌギ林の樹液の出ているある場所に虫たちが集まっているのです。午前中であるのにもかかわらず。しかも、その虫とは、大きな蟻が無数に、それからカナブンが6匹、かぶと虫が3匹、スズメバチが1匹と群がっているのです。そしてかぶと虫同士が戦い角で相手を持ち上げ蹴落としていたのです。まさに、図鑑に載っていたり、テレビで紹介されるような場面が目の前で繰り広げられていたのです。スズメバチがいたので怖かったのですが、近くにいたミヤマクワガタなど3匹と共に捕まえて帰ってきました。子どもたちは捕まえたいのですが、ほとんどの子どもが手を出すのですがすぐに引っ込めるように怖がり捕まえられませんでした。こんな当たり前の体験の少なさを感じた場面でもありました。帰ってくると園から持ってきたガラスの大きな水槽(長さ60センチほど)のなかに、一日目から昆虫の森を作っていて、そのなかに入れて満足げに眺めていました。
昼食のころには、それぞれのチームが準備した、料理(子どもが主体的に活動できるような簡単なサラダ、たき火に入れたジャガイモやカボチャ、インゲン、そしてピザ、ジャムにドレッシングなど)と花をたくさん集め飾りつけをしました。素朴ではあるけれど、どれも子どもたちが“自分たちで作った”という気持ちのあふれたものばかりでした。

●三日間を振り返る
これからの保育に向けて、保育者と子ども、子ども同士、保育者同士、ボランティアのお姉さん、おじさんとみんなの気持ちが深く繋がり、気持ちや思いがしゃべらなくても感じ合えるような関係に進んでいくのを感じることができました。何よりも、体調の悪かった子や後から参加した子、お母さんに参加してもらった方々もおられましたが、年長児全員が参加でき、寝食を共にして気持ちをぶつけ合い、受け止め合い、発散できたことが、何よりも嬉しい出来事でした。二学期以降がほんとに楽しみになってくるのです。
これからの保育に繋がる活動であったこと、一人ひとりの新しい一面を感じることのできた時であったことを保育者間でも確認し、これからも、子どもたち一人ひとりに挑戦していきたいとも感じさせられました。

林間
▲朝、仲間が集まり、まずお祈りをして出発です
林間
▲六日町に到着すると、まず山歩きを楽しみました。
                           布を染めるための“ドクダミ”を集めました。

林間
▲歩いた後川を見つけ、沢登りのように岩場を上がっていきました。
                                    手を使い4本足で進みました。

▲川を上りつめると滝があり、滝から落ちる水を触りにいってみました。 

林間

▲その後、宿に到着すると自分の荷物でないものも、みんなで運びました。


ひよこ
▲荷物を運び終われと、自分たちの部屋でこれからの日程や当番、
                               お風呂やトイレの確認をしました。

林間
▲各クラスでおじさんへの挨拶を終えると、探検チームがテントを設営しました 。

林間
▲食事を終えお風呂を出ると、明日の着替えや着替えなどの準備、整理をしました。
 
▲一日を終えて、お布団の上で絵本を読んでもらいました。「おやすみなさい」
ブタ
▲2日目の朝は、どのクラスもゆっくり目が覚めたようでした。疲れていたのかな。

林間
▲朝の礼拝の後、あるクラスに“昆虫体操”を見せてもらいました。

林間
▲体を動かした後は、当番のクラスの友達が朝食の準備をしてもらい、
                                       朝ご飯を食べました。

林間
▲早速、今日の動物島探検にロープウエイに乗って出発しました。
                              全員が乗れるほど大きかったです。

林間
▲頂上に着くと、出発するぞ〜と気合を入れました。
                           しかし、霧が立ち込めていて何も見えない!

林間
▲あちこち探検しましたが雨が強まり、頂上にあった“避難小屋”でお弁当にしました。

林間
▲あるクラスでは、展望台の上でハンモックをつけ、
                          布を下げて花を飾り基地を作っていました。

林間
▲山から宿に帰ってくると、それぞれのクラスの楽しみ方で過ごしました。

林間
▲一日の疲れが心地よく、食事がよく入りました。残す子はほとんどいませんでした。

林間
▲雨がうまい具合に上がり、踊り続けた後、
                         薪に火を入れて静かに礼拝の時を持ちました。

林間
▲今年は雨もありテントで寝ることはできませんでした。
                           キャンプファイヤーの後絵本を読みました。

林間
▲三日目の朝です。今年は熱を出す子もなく順調な朝のスタートでした。

林間
▲朝食の後、みんなで荷物を運び帰りの準備をしてから、
                                パーティーの準備が始まりました。

林間
▲初日から集めていた“ドクダミ”の葉っぱで染めて“旗”“マット”“袋”にしました。

林間
▲たき火に入れて焼くために、野菜を何種類も切、アルミホイルで包みました。

林間
▲おいしかったね、たくさん食べ、冒険し、泣き、大笑いした3日間でした。
                                      仲良くもなったね!

林間
▲この3日間を夢見ながらバスに乗り込むとぐったりでした。
                               あっという間の林間保育でした。

林間
▲子どもも大人も、ほっと一安心です。